ブログ「東山だより」

【ユマニチュード®】 -その3-

公開日 2014/01/31

この方法を習得するには、まだまだたくさんの時間と工夫が必要です。


(講習の様子から)

しかし当院のスタッフたちは、まず自分たちでできることから始めようと、
さっそく見よう見まねで、患者様と「出会いの準備」なることを行っています。

例えば、

いきなりカーテンを開けて、ベットのそばに行って話しかけるような
ことをしない。

壁をつかってノックを3回して、
返事があってからカーテンを開ける。

返事がなければ、3回その作業を繰り返してから名前を呼び、
患者様の視野の正面に入って3秒以内に「あなたに会いに来た」と
名乗りながら話しかける。

などです。

ケアをするときには、一人は常に患者様の顔の正面で話しかけ、
「これから○○をします」
「手を上げてください」
などと伝えます。

もう一人が黒子として、
説明に続いてその通りにケアを進めていきます。

今までケアをしていても固く身をこわばらせていた患者様が、
筋肉を緩めて身を委ね、笑顔で「ありがとう」と微笑んでくれる。

たったこれだけの事ですが、看護やケアのやりがいを
実感できているようです。

ケアをする人に誇りとやりがいを実感してもらう。
「人が尊厳をもって、住み慣れた地域で医療・介護をうけ、
その生をまっとうする」ことができる世の中になるために、
ユマニチュード®はすべての人々に希望を与えてくれる
メソッドだと思いました。

新年早々大変感動的な時間を共有することができ、
関係者の皆様、すべての皆様に感謝申し上げます。


(病棟での実習の様子 ※テレビの取材もありました)

※写真は一部修正しています。

【ユマニチュード®】 -その2-

公開日 2014/01/29

「ユマニチュード®(Humanitude)」=Human(人)+Attitude(態度)を
組み合わせた造語(フランス語)です。

ユマニチュード®は、ケアをする人たちが認知症の人に接する際、
“人に接する態度”を徹底できるように考案された「具体的な技術」であり、
人の本質をつかんでいて国籍や人種に関わらず通じるため、
スイス・ベルギー他のヨーロッパ各国やカナダ・チリ・フィリピンなど、
国を超えて導入されているそうです。


 (イブ・ジネスト先生)

認知症の人を「わからない人」のままにしない看護・ケアの重要性と
醍醐味に気づかせていただく。
この講演を聞いた人はみな、それぞれの職場で起こっていること、
日々葛藤していることを思い出し、目に涙が浮かんでくると言います。

【ユマニチュード®の基本となる4つの柱】
 1.見つめること
 2.話しかけること
 3.ふれること
 4.立つこと

ユマニチュード®の根底には「ケアをする人とは何か」「人とは何か」という
基本命題があり、この哲学に基づくケアの具体的な技術を学ぶと、
“当然できているつもり”であったことが実際には全くできていなかった
ことに気づかされます。

【優しさを伝える視線の技術】
 1.垂直ではなく水平に
 2.斜めからではなく正面から
 3.一瞬ではなくある程度の時間
 4.遠くからではなく近くから

「危ないからベッドで寝てて」「座ってて」
これは病院や介護施設だけではなく、ご家庭でも起きている
ことだと思います。

“寝たきり老人”を作っている、良かれと思って関わっている
私たちのそのやり方が「介護する人=暴力をふるう人」と思われて、
患者様・ご老人を攻撃的・あるいはその逆の低活動症候群に
させているということを教えていただき、目からうろこの思いでした。


 (質疑の様子)

「その3」に続く

 

【ユマニチュード®】 -その1-

公開日 2014/01/27

35年前にフランスで産声を上げた、認知症のケアメソッド「ユマニチュード®」を、
1月20日当院で勉強する機会をいただくことができました。

講習の様子

「ユマニチュード®」の提唱者の一人、イブ・ジネスト先生(フランス人)と
2011年単身フランスにこれを学びに行かれ、日本に持ち込まれた
本田美和子先生(国立医療機構東京医療センター総合内科)が
直々に当院にいらしてくださり、熱く語っていただくとともに、
その後実際にご入院中の患者さまとそのご家族のご協力のもと、
実習をさせていただきました。


先生方(左:イブ・ジネスト先生、右:本田美和子先生)

講演を聞いた当院の職員、地域の医療介護に関わる関係者の皆様
(診療所の先生・地域包括の方・市役所の方・他院の看護師さんなど)、
当院にご入院中の患者様のご家族の皆様が感動を味わい、
明日から自分たちでできることをやってみよう!という気持ちに
させていただきました。

実習では、患者様が最後に自ら手を上げて「ありがとう」と
おっしゃられるのを見て、いつもの患者様との違いに皆嬉しくなって、
思わず患者様を囲んで拍手でした。

「その2」に続く

 

【地域医療連携室】第5回 調布医療連携カンファレンス

公開日 2014/01/25

1月21日(火)当院会議室にて、
「第5回 調布医療連携カンファレンス」を開催しました。

この会は、近隣の先生方と一緒に
よりよい地域医療を患者様に提供するため、
様々なテーマで行う勉強会で、
年に2度、開催しております。
過去の様子はこちら(クリックで開きます)

今回は中村ゆかり医師が司会を務め、
当院から以下の2つのテーマでお話しさせていただきました。

■Session 1: 生化10ケの落とし穴 ~測ってみましたナトリウム~
          診療部    内科  熊谷 真義 医師

■Session 2: 腎不全保存期治療のポイント ~患者教育における多職種との連携~
          診療部    内科  村岡 和彦 医師
          医療技術部  栄養科 近藤 任子 管理栄養士
          透析センター 看護部 西谷 令子 看護師

今回も25名程の地域の先生方がご参加くださいました。
また当院からは医師をはじめ、様々な部署から30名の職員が
共に学びの時を持ちました。

ご参加いただいた先生方からは、
「もっと聞きたい!」
「コメディカルの方々の顔を見ることができて良かった!」
といった、有り難い声を頂戴しました。

今後も、患者様や受診者の皆様にご満足いただける
質の高い医療を提供できるよう、
地域を挙げて取り組んでまいります。

お忙しい中、足を運んでいただいた皆様、
誠にありがとうございました。

次回も多くの方々のご参加をお待ち申し上げております。

【桜ヶ丘東山クリニック】新施設内覧会

公開日 2013/12/27

12月21日・22日の両日、年明け1月6日に移転する
桜ヶ丘東山クリニック新施設の内覧会が執り行われました。

1990年に現在のクリニックで
外来透析医療と一般外来診療をスタートして、
23年間の月日が経ちました。

今回移転を決断した理由は、

 1.現クリニックが入っているビルの老朽化
 2.現クリニックはビルの4階・5階にまたがっており、
   透析患者様にはご不便をおかけしていること。
 3.先の震災・計画停電を経験し、患者様の安全をより確実に
   守るためには、1階で透析医療を行いたい。

ということでした。

移転計画が本格的になり、なにより素晴らしかったのが、
職員全員が真剣に次の移転先の設計図・運用を話し合い、
限られた条件の中ですべて自分達で作ってくれたことです。

その際最も優先されたことは、
「それは患者様のためになるか」でした。

涙あり、喧嘩あり、笑いありの怒涛の数か月でしたが、
皆さんの思いがこもった良い施設となりました。

22日(2日目)の患者様向けの内覧会では、
日曜日にもかかわらず、朝の9時から17時まで5クールに分けて、
スタッフが手作りのパンフレットを手に、丁寧に説明していました。

こちらがスタッフ手製のパンフレットです。

職員の説明を聞く患者様も、真剣そのものでした。
※写真の一部を修正しています。

その後、設備案内。

1階の明るい日差しの入る新しい施設を、
患者様も概ね皆さん喜んでくださったようです。

あとは年末に無事に引っ越し業務を終え、
1月6日からの開業を待つのみとなります。

もうひと頑張りです。
皆さん、よろしくお願いします。

 

【リハビリ室】喜多見東山クリニック「患者様勉強会」に行ってきました

公開日 2013/12/25

11月30日(土)、喜多見東山クリニックにて行われた
「患者様勉強会」に参加してきました。

喜多見東山クリニックでリハスタッフがお話をさせていただくのは
昨年に引き続き2度目になります。

勉強会の内容は以下の3本立てでした。
 1.クリニック看護師:「透析患者の血液データの読み方」
 2.クリニック臨床工学技士:「災害時の対応」
 3.本院リハスタッフ:「透析中にできる運動」

かなり参加希望の方が多く、会場に入りきらないため
午前と午後の2回開催にしたと聞き、
私たちも気合を入れて臨みました!

近年、透析中に行う運動療法が注目されています。

透析中のベッド臥床時間を有効に使える、
医療スタッフのいるところで運動ができるなど、
透析中の運動には利点も多々あります。

ただし運動負荷には個人差があるため、
どの運動をどのくらいすればいいかは一概には言えません。

「無理せず、楽せず」を原則にしていきましょうとお話ししました。

ボールやチューブを使ってベッド上でできる運動をご紹介

後日、クリニックのスタッフから
「患者さんがマイボールを購入する場合どうすればいい?」
「配布された資料をパウチしてベッドのそばに貼っているよ」
などの問い合わせや反響をいただき、とても驚いています。

喜多見東山クリニックに通院されている方の
活動量低下や肥満によっておこる筋力低下・転倒・骨折などの
二次的障害を心配している所長の高橋先生はじめ、
クリニックのスタッフが一丸となって開催した今回の勉強会。

場所は少し離れていますが、本院リハビリ室も一緒に
取り組んでいきたいと思っています!



きたみんも一緒にね

 

忘年会!

公開日 2013/12/17

新病院になり、はや2回目の忘年会が
12月14日、調布クレストンホテルで開催されました。

大勢の職員とそのお子さんたちが一堂に会し、
大変にぎやかで楽しい会になりました。

(抽選会の様子です)

新病院2年目にして、お蔭様でだいぶ軌道に乗ってきたことは、
何よりも職員の皆さんが地域のために、一生懸命心と時間を
使ってくれた結果です。

職員の皆さんに感謝感謝の会でした。

そして、この会の中では
2つのプレゼンテーションが行われました。

○桜ヶ丘東山クリニックの移転進捗報告。

長年ビルの4階・5階で外来透析を行っておりました。
災害時・急患発生時の患者様の移送の安全性が課題でしたが、
来年1月には近くのビル1階への移転が実現でき、
長年の課題が一つまた克服できそうです。
関係者の皆さん、お疲れ様。

○喜多見東山クリニックにゆるキャラ「きたみん」が誕生。

お披露目を行いました。
発案者の本院透析室看護師の方、アイデア賞を受賞されました。

(「きたみん」です)

職員の皆さん。1年間お疲れ様でした。
ありがとうございます。

 

日本医療社会福祉協会創立60周年記念式典(その3)

公開日 2013/12/08

引き続き、日本医療社会福祉協会60周年記念式典に関連して。

今年9月に第1回を実施、来年1月に第2回が予定されている、
全日本病院協会主催の認知症研修会には、
当院の看護師さんも多く参加してくれています。

私も、研修会プログラム策定委員として関わらせていただき、
そこで出会うことができた、認知症ケアメソッドである
ユマニチュードの提唱者のイブ・ジネスト先生(フランス人)、
それを日本に持ち込まれた本田美和子先生(東京医療センター)には、
来年1月20日午後に、なんと当院に直接いらしていただき
実習をしていただくことになりました!

当院の職員の皆さんは、仕事中でやり繰りが難しいと思いますが、
是非ぜひ一人でも多く参加してくださいね。

「人とは何か」と言う哲学に基づいた、
身に着けたらケアが本当にやりがいに代わる
素晴らしいメソッドです。

できれば、地域の関係者の皆様にも
お声をかけてみようと思っています。

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